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東野圭吾 プラチナデータ

東野圭吾 プラチナデータ
★★★☆☆オススメ度総合
★☆☆☆☆感動度
★★★☆☆ハマリ度
★★★★☆面白い度

理数系的発想の文章が続くけど、思いっきり文系人間の数字アレルギーが読んでても楽しい。

犯人は、早い段階でふたりに絞り込めた。
どちらも一見いい人そうで、実は胡散臭い人物だったが、私のカンも結構イイ線いってた。
ただこの段階ではまだ、DNAやら電トリやらプラチナデータやら二重人格やらがどうつながってくるのかわからない。

神楽が逃亡するあたりからは、すごいスピード感で読み進められる。
神楽とリュウというふたりの人格に、スズランという少女、突然アメリカから来た白鳥という謎の女性。
一体誰が味方で誰が敵なのか、登場人物全てを疑惑の目で見てしまう。

その中で、一貫していい人だと確信できたのが、刑事の浅間警部補。

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全国民のDNAをデータ化することにより犯罪のない社会を・・・という、なんかもっともらしく壮大な近未来プロジェクトのようだが、本質は現社会情勢とほとんど変わっていない気がする。
結局、情報管理社会を作り出そうとしている側が、特権階級だけに例外を認めるのだ。
だから、特権階級はどれだけ犯罪を犯してもデータからはじき出される、すなわわちプラチナデータ化されているのである。

国の都合のいいように情報を管理するという、今の社会を痛烈に風刺しているんじゃないかともとれる。


このDNA捜査システムを作り出した天才数学者兄妹が殺される。
そのDNA捜査システムを操る科学者・神楽が、自らはじきだした犯人というのが何と、神楽自身だったのだ。

神楽は二重人格者だ。
二重人格の脳のメカニズムというのは全くわからないが、もうひとりの自分が知らないところで何をしているのかがわからない分、神楽も自分が無実だと確信できないで逃亡してしまう。

しかもこの事件に関して、警察上層部が捜査員に対しても徹底的に情報を与えないのである。
そりゃ、自分たちだけがシステムの例外を認められているなんてわかった日には、世間から祭り上げられることくらいわかっているから秘密裡に処理したくもなるってものだ。
ほんまに腹立たしい。

そして最後に電トリなんてものがクローズアップされてくるのでよけいにこんがらがってくる。
電トリとは電気麻薬みたいなもので、脳に刺激を与え快楽を味わえるので若者に人気の代物だ。
脳に刺激・・・。

そうか、だから犯人はこっちか、と結局最後まで犯人を絞り切れなかった。

犯人探しはともかく、一見優等生の神楽が二重人格という心の闇をかかえていて、この事件を通じ心が解放されたという点はよかったのではないか。
ハンパなく荒療治ではあるが。
そのために大切な人を失ったことは、彼にとって再び乗り越えねばならい課題となるのかもしれないのだけど。

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