東野圭吾 秘密
★★★★☆オススメ度総合
★★★★☆感動度
★★★☆☆ハマリ度
★★★★☆面白い度
めちゃめちゃ深い。
最初はまったりした状況から始まる。
だから、最後にこんな深い結末が待ってることなんか、私のこの薄っぺらなアタマでは予想もできない。
妻と娘がバスの事故に巻き込まれ、生き残った娘の体に妻の人格が宿ってしまうという絶対ありえへんやろー、なストーリーである。
身体は娘なのに人格は妻。
こんなこと現実に起こるわけないやん、と半ばゆるい気持ちで読み進めていくと・・・。
最後にはまんまと感動の落とし穴にはまる。
バスの事故はかなり現実的だ。
被害者家族とバス会社とのやり取りも、具体的に進む。
父親として夫として葛藤の日々を送る描写もかなり生々しい。
男と夫と父親のハザマで揺れ動く様がなんて痛々しい。
特に、電話に盗聴器を仕掛けるなんてサイテー!と感じる前に、切なくて涙が出てしまう。
最後に「秘密」の本当の意味がわかった時、大根で頭を殴られたくらいの衝撃だ。
こうしなければならなかった妻も夫も切なくて、胸が押しつぶされそうになる。
ただ、これは読む人によっていろんな解釈ができるかもしれない。
男女によっても違うかも。
もしかしたら、妻の直子はしたたかな女だとも考えらる。
若さを取り戻し、夫を捨ててもう一度人生をやり直すことを選択した。
その証拠に結婚指輪を・・・。
だけど、私は直子が平介のことが一番好きだったんだと思いたい。
だから指輪も・・・。
大切な夫の平介の心を解放するために、直子は自らを抹殺したんだと思いたい。
最後に2発、花婿を殴るに殴れなかった平介の号泣で、もう完全にヤラれた。
Amazon>>>
秘密 (文春文庫)
Yahoo!>>>
秘密