首藤 瓜於 脳男
★★★☆☆オススメ度総合
★☆☆☆☆感動度
★★★★☆ハマリ度
★★★☆☆面白い度
中居君が演じたサバン症候群のドラマがちょっと視聴率良かったりしたけど、これもそんな感じの人物が主人公のお話し。
生まれつき感情が全くなく、でも天才的な知能と体力を持ち合わせた鈴木一郎なる人物。
さらに、鈴木一郎をとりまく人物設定がめちゃめちゃ怪しげで、さすが江戸川乱歩賞受賞作って雰囲気があっておもしろかった。
映画では生田斗真が鈴木一郎を演じるみたいだけど、ほぼ無表情な鈴木一郎役をどうこなすのかも楽しみな気がする。
連続爆弾事件の犯人をやっと突き止めてアジトに潜入すると、目当ての犯人以外にお前誰?という男がいた。
それが鈴木一郎と名乗る人物。
犯人は取り逃がしたものの鈴木一郎を一応確保。
しかし、なぜかちょっと変なヤツなので精神鑑定にまわされることになる。
そこで担当した医師が、もしかして鈴木一郎は感情というものを持たないのでは?と鈴木一郎に並々ならぬ興味を抱いてしまい彼の生い立ちを調べることになった。
そこから徐々に明らかになる鈴木一郎の真実。
もともと金持ちのぼんぼんなんだけど、生まれつき自我というものを持たない子供だった。
それが、色んな濃いめキャラ設定の人たちの絡みによって、現在の鈴木一郎が出来上がってしまったということなのだ。
まあ、特殊な能力を持つ人がいることは間違いないと思うのだけど、鈴木一郎は感情がないだけで、ほんまかいな?というくらい天才的だ。
爆弾魔と一緒にいたことから、鈴木一郎も犯罪に加担していたのでは?と最初は思われていたが、実は全く逆。
正義のために犯罪者を殺してしまうということに命を懸けていたのが真実だった。
(まあ、結局は犯罪者なんだけど・・・。)
最初の方はだらだら~っというストーリーだけど、途中爆弾魔が鈴木一郎の命を狙って行動を起こす当たりから急にスピードアップ。
結構無理くりな展開になってたりする部分もあるのだけど、おおむねテンポよくおもしろく読み進められると思う。
ただちょっと残念なのが、結構おもしろいキャラクターが色々出てきたのにどれもうまく使いこなせてないというか、惜しい!!って感じがする。
さらに、ラストはかなりあっけない。
続編があるようなのでそちらに続く・・・ということなんだろうけど、今ひとつスッキリ感に欠ける終わり方だった。
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脳男 (講談社文庫)