湊かなえ 贖罪
★★★☆☆オススメ度総合
★★☆☆☆感動度
★★☆☆☆ハマリ度
★★★☆☆面白い度
純真な子供の心というものが、ガラスのように壊れやすいものだということが読んでて切なくなる。
友達が何者かに殺されて、その親が半狂乱になるのはわかる。
犯人と言葉を交わしていながらなぜその顔を思い出せないのかと言って、娘の友達を責めたくなる気持ちもわからなくはない。
しかしながらフツーに考えて、小学生相手に犯人がつかまらなければ復讐するだの責任を取れだの、むちゃくちゃなこと言うおばはんやなあと大人なら感じるはず。
でも子供は違うんや。
しかも田舎で素直に育った無垢な子供たちは。
殺された娘の母親に責められ発せられた言葉によって、大人になるまでがんじがらめに心を縛り付けられた4人の少女。
まるで母親が復讐でもしているかのように、大人になった4人の身に次々と不幸が訪れる。
4人が4人とも人を殺してしまうなんて、呪いとかたたりとかそっち系の話し?と思ってしまったぐらいだ。
でも、違った。
友達の母親から脅迫まがいに浴びせられた言葉にとらわれ続けたために、あまりにも罪の意識が膨らみ過ぎて犯罪を呼び寄せることもあるんかもしれないと思った。
不幸だ。
最後に母親の告白部分を読むまで、結局真犯人と殺人動機はわからなかった。
が、母親の過去が明らかになり事実関係がはっきりすると、もうこんな救いようのない話はない。
彼女たち4人はただ巻き込まれただけなのだ。
4人を苦しめ続けた15年は、報われようがない。
色々と事情があったとは言え、人を殺してしまった事実は一生消えないのだから。
少なくとも母親が、本当のことを包み隠さず告白してくれたことだけが救いだ。
ただちょっと・・・、
変態出現率が高いのがひっかかる。
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