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東野圭吾 怪しい人びと

東野圭吾 怪しい人びと
★★☆☆☆オススメ度総合
★★☆☆☆感動度
★★☆☆☆ハマリ度
★★★☆☆面白い度

「結婚報告」を除いては、コレ全部主人公が僕とか俺とかの一人称で、名前が出てこない。
なるほど、こういうのってなかなか怪しさが増す感じだ。

ストーリー的にはバツグン!というほどではないが、最後には、はぁっ??って感じになるのが多い。
え~!もしかして主人公の単なる勘違いなん?!って。
勘違いしたままずっと思いつめてたのなら、お気の毒としか言いようがない。

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①「寝ていた女」
自分の部屋を同僚にラブホ替わりに貸してたら、ある日知らない女がベッドに寝ていて居すわられた。こいつ、誰やねん。
②「もう一度コールしてくれ」
警察に追われ逃げこんだ家は、かつて高校野球でアウトのコールを出した審判の家だった。俺はこいつのせいで人生を狂わされた・・と思ってた。
③「死んだら働けない」
働き者の係長が頭を殴られ密室で死んだ。仕事熱心で誰からも慕われていた・・・と思っていた。
④「甘いはずなのに」
甘いはずの新婚旅行で、妻に復讐する計画だった。なぜなら、前妻との間の娘を殺されたのだから・・・と思っていた。
⑤「灯台にて」
旅の途中に宿を提供してくれた灯台守の男は、実は僕のカラダ目当てだった。逃げ帰った僕は、いつも上から目線の友人にコレを利用したのだが。
⑥「結婚報告」
最後の独身女友達から写真入りで結婚報告の手紙が届いた。しかし、そこに写っていたのは、コレ誰?もしかして整形した?
⑦「コスタリカの雨は冷たい」
野鳥観察にコスタリカまで行った夫婦が、突然強盗に襲われ身ぐるみはがされる。治安のよいはずの現地で、襲った犯人とは。


特に好きなのは、あんまり感情を出さずにしれ~っと復讐しちゃった感じの「灯台にて」。

自信過剰な友人の引き立て役に徹していた主人公は、悔しい思いをしながらいつもぐっとこらえてた。
もっと、僕、しっかりせな・・・と思って一人旅を決行。

ところがその旅の出来事を、ちょっとしたいたずら心でアレンジして友人に話してみた。
すると、そのことがきっかけで、友人が殺人事件の犯人になってしまったというものだ。

殺したのは友人だと知っていながら言わない主人公。
でも僕知ってるよ~とほのめかし、友人に対して無言のプレッシャーを与える。

性格的には、あんたやらしいな~と言いたいところだけど、ちょっと笑えてしまった。


もうひとつは、勘違い系の「甘いはずなのに」。

再婚した主人公が、甘いはずの新婚旅行で妻の首を締めて殺そうとした。
この妻には、前妻との間の娘を殺されたのだ。

殺されたのだ、たぶん・・・。
ところが、もう一度よく考え直してみると、え?!もしかして僕の過失が原因で娘が死んだん?!という勘違いが判明。

幸いにも後妻は死に至らず。
ただ、こんな勘違い男とこれから幸せな新婚生活が営めるのか、人ごとながらちょっと心配。



短編ミステリーというのは、盛り上がりをつけるのがとても難しそうだ。
最後にドスンと一気に落とすために、途中読者をひきつけてひきつけて、というには限界があるからだ。

だけどこの短編は、どれも人間にスポットが当たっている。
その人間に、名前がないということにまず不自然さを感じる。
不気味さとつかみどころのなさ、そしてうさん臭さに読者をひきつけておいて、いっそう怪しさを持たす技はすごい。
東野氏の引き出しの多さに完敗だ。

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