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道尾秀介 カラスの親指 by rule of CROW’s thumb

道尾秀介 カラスの親指 by rule of CROW’s thumb   
★★★★★オススメ度総合
★★★☆☆感動度
★★★★☆ハマリ度
★★★★★面白い度

これはほんまにほんまにおもしろい。
久しぶりにスカっと気分爽快だ。
笑いとスリルとそしてちょっとだけうるっとが、交互にやってくる。

もしももしも、本を読むのがうざいなら9月に公開の映画をオススメ。
どれだけ脚色されてるかわからないが、絶対笑えると思う。
だけど、頭の中で想像力がハンパなくもこもこ膨らむ人は、絶対読んだ方がおもしろい。

最後にえー!?って感じで終わるのは道尾氏お得意だけど、騙される覚悟で読んだら、ほんまに騙される。

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過去に同じヤミ金組織にヤラれ、家族を失った中年のおっさん、タケさんとテツさんのふたりが偶然にも出会う。
金のないふたりは、しょぼいサギで日銭を稼いででなんとか暮らしていくのだ。

その後、またまた偶然にも、同じヤミ金により母が自殺に追いつめられた姉妹とおまけの青年ひとりに出会い、5人で暮らすことになる。
5人は、恨みのあるヤミ金をぎゃふんと言わせるため、大がかりなサギを決行。

ところが、結局仕返しは失敗に終わるの巻。
ちゃんちゃんっ、おしまい、て感じで読者の気分も急降下。

・・・と思ったら、ここからがスゴイ。
なんか、偶然が多すぎてうまいこと話しができてるなー、と思ってた。
すると最後に、マジで~!?って感じだ。

サギの手口はスリル満点!って話しじゃなくて、ズッコケ具合もおもしろい。
だけど、涙をさそうエエ話しもあって、テツさんの指の話しはほんま納得だ。

テツさんというのは、イルカ似のちょっと真の抜けた残念な見た目となってる。
ところが、これがミソなんだ。
だから読者もコロッと騙される。

タイトルのカラスの親指ってなんのこっちゃ・・・って思っていたら、最後にわかる。
テツさんのことなんだよね。
テツさん、ものすごええ味出してる。

え?ってことは、今までタケさんが主人公やと思って最後まで読んでたけど、実はテツさんが主人公かいな?・・・みたいな。

とにかくジェットコースターのような筋書きだ。

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