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道尾秀介 向日葵の咲かない夏

道尾秀介 向日葵の咲かない夏
★★☆☆☆オススメ度総合
★☆☆☆☆感動度
★★☆☆☆ハマリ度
★★☆☆☆面白い度

おいおい、ミチオ、ちょっとそれはどうなん?
というくらい、わけがわからん少年だった。

おぞましい。
好き嫌いが完全に分かれる作品だと思う。
読みやすいし、どうなるの?どうなるの?という続きが早く知りたい欲望は止まらない。
ノンストップで読めるかもしれない。

でも、残念だけど積極的にはオススメできない。
単にむごたらしいとか、陰惨とか、そんなもんじゃない。
こんな表現をしたら怒られるかもしれんけど、例えて言うなら、ウジ虫がわいてる中に身を投じたようなえげつない心境だ。

以前読んだ道尾氏の「カラスの親指」にいたく感動したのだけど、方向性があまりに違い過ぎてびっくりした。
面白い作家だ。



学校を休んだクラスメイトにお届け物をしたミチオが、S君の首つり死体を発見したことから始まる。
先生と警察が駆けつけると、死体は忽然と消えている。

事故か?自殺か?はたまたミチオの見間違いか?

途中、蜘蛛に生まれ変わったクラスメイトと犯人捜しをするというようなストーリーになっている。
で、いつのまにか可愛い妹はトカゲになっている。
なので、そんなんあり?って目くじらを立てていては先に進めない。

イジメのウサ晴らし、過去のトラウマ、歪んだ性癖、動物虐待、ネグレクト、死体損壊・・・これ以上ないくらいはっちゃけてる。
その上、人間が突然ネコになったり、虫に生まれ変わったり。
なんて、バラエティ豊かなんだろう。
好きな人は、一粒で何度もおいしいお得感だ。

最初はいい子だと思っていたミチオが、途中からどんどんあらぬ方向に行ってしまう。
しかし、このミチオも壊れていた。
最後に少年自らが告白するが、自分の過失で母親のお腹の胎児を死なせてしまったのだ。
それ以来、母から愛情を受けることもなく育ってきた。
少年にとってはものすごく寂しかったのだと思う。

自分がやったことを、隠したい、忘れたい・・・。
そうしないと生きてこれなかったのかもしれない。
ミチオはもう一度、楽しい家族に戻りたかっただけなのだ。

そんなことを思うと、ラストはちょと救われるのかもしれない。

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