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百田尚樹 永遠の0

百田尚樹 永遠の0
★★★★★オススメ度総合
★★★★★感動度
★★★★☆ハマリ度
★★★★★面白い度

百田氏初読み。
探偵ナイトスクープのイメージがありすぎて、3の線が頭から離れず、どうしても百田氏とシリアスな小説が結びつかなかった。
しかし、史実に基づいたこの小説は百田氏のイメージを吹き飛ばすくらい衝撃的だった。

途中の段階からもうすでにボロ泣きで最後はみごとに号泣した。
ここまで感情移入できる小説を今まで読んだことがなかった。
読後もしばらく放心状態に陥った。
戦争のことなどロクに知らない私が、この平和な世の中に甘んじてのうのうと生きていることが恥ずかしくなった。
これはもう、小説というレベルではないと思う。

百田氏は構成作家ということもあり、物語の構成も素晴らしい。
戦時中と現代という時代背景が交錯する。
ひとりの謎の主人公の正体が、戦友たちの話しから徐々に明らかになってくる。
そして、最後に思わぬ事実が発覚するのである。

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零戦パイロットにまつわる物語である。

戦死した祖父、宮部という人物を調べるため、孫たちが当時の戦友に聞きに行くのである。
宮部は天才的に腕のいいパイロットである。
しかも階級が絶対的な当時にあって、分け隔てなく紳士的な態度なのだ。

宮部は、生きて妻と子供の元へ帰ることだけを心の支えに、生きるために闘う。
お国のために身を挺します、という時代にあって、宮部の生への執着はすさまじいものがあった。
だから、臆病者とののしられることもあったし誤解もされた。

しかし、生への執着は自分に対してだけではない。
まさに命がけで仲間の援護をするのである。

ところが戦局が悪化すると、自分の腕前だけでは切り抜けていけない状況に陥る。
いわゆる特攻隊という、事実上、死の命令なのだ。
上級官吏にとって戦闘員は単なる駒の一つに過ぎず、自分たちは高みの見物で人の命の重みなど屁とも思わない。
特攻隊員の話しは、思い返すだけでも心が締め付けられる。

生きて帰ることだけが望みだったのに、敢えて教え子に助かる可能性を譲った宮部の最期には言葉を失った。
宮部のことだからそれでもどこかで生きているだろう、と強く願った。
しかし、その願いが裏切られた時、宮部という人物の偉大さを改めて感じた。
これが、26歳で散った若者の生き様とはとても信じがたい。


絶対に読んで損はないと思う。
ただし、電車の中で読むのは要注意だ。
涙をこらえるのがとて大変だった。

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