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東野圭吾 あの頃の誰か

東野圭吾 あの頃の誰か
★☆☆☆☆オススメ度総合
★★☆☆☆感動度
★★☆☆☆ハマリ度
★★★☆☆面白い度

「あとがき」にあるように、この中にある短編集のほとんどがわけあり物件なのだそうだ。
東野氏が個人的に納得いかなかったり、出版社がつぶれて宙に浮いてしまったり、バブル期に書いて今では年代物となってしまったり・・・。

なるほど、携帯電話が箱だったり、ジュリアナなんかが登場してきたり、バブリー当時のかぐわしい香りがただよう。
だからタイトルも、あの頃の誰か、なんてことになったらしい。

初期の作品集なので、オススメ具合はイマイチだけど、いやいや、これはこれで楽しいかも。
なんかちょっと、その頃流行ったドラマをブラウン管のテレビで見ている気分になれた感じ。

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①「シャレードがいっぱい」
資産家の遺産をめぐる骨肉の争い。お決まりのように、当主のおっさんには隠し子がいた・・・なんてことでもめもめに。
②「レイコと玲子」
多重人格の少女が狂暴なレイコが出現したときに人を殺した。玲子は罪に問われるのか。いや、もしかしてこれは演技なのか?!
③「再生魔術の女」
跡継ぎを欲しがっている資産家の夫婦に渡された養子の赤ん坊。実は、妹を殺された姉の密かな復讐劇。ラストがぞくぞくものだ。
④「さよなら『お父さん』」
名作「秘密」の原型になる作品。飛行機事故にあった妻と娘。娘の体は助かったものの、実は魂は妻だった。
⑤「名探偵退場」
かつての名探偵が死ぬまでにもう一度難事件を解決したいと願う。すると依頼が。自身満々に謎解きを披露しかけた時・・・。
⑥「女も虎も」
殿様の妾に手を出して処刑されるストーリー。スタジアムの観客を前に、3つのBOXを自ら選ぶ。①虎②美女③謎。さて男が選んだのは?
⑦「眠りたい死にたくない」
会社の金を横領していた男女にはめられた僕。薬で頭が朦朧となり眠い。が、首にかけられたロープが締まって眠れないのだ。
⑧「二十年目の約束」
夫から子供は持たないという条件を出され結婚。その後夫は不可解な行動に。一体夫の過去に何があったのか?ラストはほっとする。

特に好きなのは「再生魔術の女」。
子供ができない資産家の根岸夫婦に養子の世話をする章代。
実は7年前、この根岸と章代の妹がつきあっていたが、根岸に逆玉の話しが持ち上がり妹を殺されているのだ。

養子として渡した赤ん坊は、その時妹の体に残っていた根岸の精液と章代の卵子から体外受精したものだと告げる。
冷静に考えたらそんなわけないやろ!って話しだが、やっぱりそんなわけなかった。

ただうしろめたい過去のある人間には、冗談が通じへんっつーか。
まあ、自業自得っちゅうか、因果応報ちゅうか、根岸が自殺に至ったのは当然の報いということだ。

真綿で首を絞めるようにじわじわと犯人を追いつめる姉の執念が、鬼気迫った感じで鳥肌モノだ。


このショートストーリーは、ミステリーと言うよりどれもちょっと不思議臭がする。
世にも奇妙な系の感じが。

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