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東野圭吾 犯人のいない殺人の夜

東野圭吾 犯人のいない殺人の夜
★★☆☆☆オススメ度総合
★★☆☆☆感動度
★★★☆☆ハマリ度
★★★☆☆面白い度

7編の短編からなっているミステリー。
どれもこれも人間の心理にスポットが当たっている。

読み応えと言う点では、やっぱり長編の方が個人的には好きだ。
ただ、短編だからと言ってへらへら感覚で読むと、あとで若干ヤラレた感がある。
短い物語と言えども東野氏の力量を見せつけられた筋書きに、参りました、である。

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①「小さな故意の物語」
親友の達也が死んだ。しかも1年もたってから思いがけず知った死の真相とは、未必の故意であった。
②「闇の中の二人」
信二の弟が殺された。いや、弟だと思っていたその3か月の赤ん坊は、実は・・・。
③「踊り子」
新体操の練習をしていた女の子に恋心を抱いていた孝志。しかし女の子はある日突然なぜか自殺してしまう。
④「エンドレス・ナイト」
店を任され単身で大阪に赴いた夫が殺された。刑事の嗅覚が犯人をじっくりと追いつめる。まさに嗅覚。
⑤「白い凶器」
犯人を精神的に追い詰めたものとは、意外なモノだった。誰しも知らない間に他人を傷つけているかも。
⑥「さよならコーチ」
自分の能力に限界を感じた直美は自殺を図り、その様子をビデオに映した。女の一途な情念が怖すぎ。
⑦「犯人のいない殺人の夜」
建築家の家で殺された女性は、実は・・・。ラストのどんでん返しがみごと。

特に印象に残ったのは「踊り子」。
ショートストーリーなのに、一気に読者の心を動かす結末の書きっぷりには、恐れ入りました状態だ。
中学生の男子が、高校生くらいの年上の女子に憧れを抱くよくある甘酸っぱい感情が、青春やね~、とほほえましく感じていた。
ところがラストは、突然断崖絶壁から突き落とされるくらい切なく悲しいのだ。
少年がもし事実を知ってしまったら、と考えると胃のあたりから酸っぱいものが上がってきそうだ。

そして「さよならコーチ」
青春の一番いい時期を選手として運動に費やしてきた女性が、気づくと選手生命も恋も成就できなかった。
思い余って自殺しようとするが、その模様をビデオに撮影。
そんな方法で、好きな人に思いを残すなんて怖すぎる。
いや、怖いのは男の方なのか。
いやいや、そんな男心を知っていた女の方なのか・・・。
昔の怪談を見ているような、女の怨念を感じる。

それから「犯人のいない殺人の夜」。
巧妙すぎて二度読みしてしまった。
叙述方法が特殊なので、パッと見は、へっ??って感じだ。
ただ、ダントツで凝っているのがわかる。
犯人にしても凝りすぎて、思わぬところでまさに文字通り墓穴を掘ってしまっている。
追いつめる刑事のドヤ顔が目に見えるようだ。

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