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西村賢太 苦役列車

西村賢太 苦役列車
★★★☆☆オススメ度総合
★☆☆☆☆感動度
★★☆☆☆ハマリ度
★★★☆☆面白い度

2011年に芥川賞受賞した作品で、西村氏の私小説。
まず、言い回しが独特である。
一体いつの時代やねんと疑問に思うほど、新旧入り混じった言葉づかいに最初は戸惑ってしまうが、そのうち時代背景がはっきりわかる。
個性的な西村氏ならでは、と、ある意味納得。

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現在の西村氏は、本当に自由で奔放で正直で、私は嫌いではない。
日給5500円の荷役労働でその日暮らしの生活をしているような苦労をしているものの、現在はこの本にあるように、父の性犯罪歴に自暴自棄になり暗い過去を持つようにも見えない。

自分をプライドが高いくせにダメ人間だと卑下し、社会の底辺を這いつくばっているような内容なのに、どこかコミカルな印象さえ受ける。
そして、恵まれた生活をしている者に対してはシニカルな感情を抱いているような気もする。
ちょうど世はバブル景気を迎える・・・という時代背景なのに、浮足立った表現など、きれいさっぱり微塵もない。

本の内容は、ものすごく赤裸々な人間クサイ内容だ。

盛大に端折って言うなら、
今日は日雇いの仕事行くのんめんどくさいなぁ、やめとこかなぁ、せやけど金ないししゃーないから行こか・・・。
とか・・・。
僕友達おらんけど、仕事先でちょっと話しかけてくれるヤツおるし、仕事行ったらそいつに会えるから行ってみよかな・・・。
とか・・・。
ちょっと仕事がんばったら小金稼げたし、今日も風俗行ったろかな・・・。
とか・・・とか・・・。

何と言っても、表現が生々しすぎて、油断するとお腹を下しそうだ。
青春まっただ中だというのに、若さを感じられるのは、主人公・貫多(実際の西村氏)の性欲のみである。
肉体労働ということだけでなく、北町貫多という人生そのものが、とてもしょっぱくて酸っぱいニオイがプンプンする。

貫多はほんとはとても寂しがりの甘えん坊なのだ。
本物の愛情に執着しているのに、不器用すぎて人との距離をはかれない。

なぜか激しくわかる気がしてしまう。

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